先端パワーエレクトロニクス技術研究所について

 株式会社タムラ製作所(本社:東京都練馬区、代表取締役社長:中村 充孝、以下、「当社」)は、2025年7月1日付で先端パワーエレクトロニクス技術研究所を設立しました。従来、開発戦略推進室として高効率・高電力・高周波駆動の受動デバイスおよびその関連素材の研究開発を推進していましたが、今後の社会実装を見据えて組織体制を強化し、研究開発を加速します。

 当社グループは、「世界のエレクトロニクス市場に高く評価される脱炭素社会実現のリーディングカンパニー」を2050年のありたい姿として掲げています。カーボンニュートラル社会の実現に向け、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)等のワイドバンドギャップ半導体(以下、「次世代半導体」)を用いたパワーエレクトロニクスの貢献が期待されています。しかし、次世代半導体がその性能を十分に発揮するには、周辺デバイスの技術進化も必要です。先端パワーエレクトロニクス技術研究所では、当社の電子部品関連事業と電子化学実装事業が保有する技術を融合し、さらに大学や技術コンソーシアムとの戦略的提携を進めることで、当社独自の素材を用いた次世代半導体に対応する高機能磁性受動部品(注)の開発に取り組んでいます。また、2025年10月1日付で組織を強化し、組織内にマーケティング機能を整備することで、社会実装に向けた市場調査や、電子部品事業と電子化学実装の販路を活用した拡販に取り組む予定です。

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(注)受動部品は、トランス・コイル、コンデンサー、抵抗器、インダクターなど、外部から供給されたエネルギーを消費・蓄積・放出する電子部品の総称です。

【これまでの成果】

複合多層基板を独自開発。ゲートドライバ―モジュール用基板として用いた場合、高電圧や高周波で動作するパワーモジュールをより高い精度と信頼性を確保しながら駆動することが可能となる。


(試作例)ゲートドライバ―モジュール用基板


 先端パワーエレクトロニクス技術研究所では、当社の次の100年を支える技術基盤の確立と、新たな事業の柱の創出に挑戦していきます。そして、カーボンニュートラルの実現に向け今後の市場拡大が期待されるパワーエレクトロニクス市場において当社だからできることを極め、お客様や社会に喜んでいただける製品・サービスを提供し続けるオンリーワン・カンパニーの実現を目指してまいります。

【タムラ製作所について】

タムラ製作所は、2024 年 5 月 11 日に創業 100 周年を迎えました。創業当時のラジオおよび電子部品の製作・販売から始まり、現在はトランス・リアクタなどの電子部品、接合材や絶縁材などの電子化学材料、自動はんだ付装置、放送局用音声調整卓などを製造・販売しています。
株式会社タムラ製作所 東証プライム市場上場(証券コード:6768)